プロジェクトの概要 一層プリント基板の自動配線問題に関して,データ構造や配線手法の開発に取り組んでいます。特に従来の配線システムでは困難な配線密度の高い基板に挑戦しています。
動機
一層プリント基板は大量生産されている家電製品(例えばテレビ,ラジオ,ビデオなど)で使われています.なぜなら安く製造できるからです.プリント基板はLSI,IC,抵抗,コンデンサなどの部品を実装し,それらの部品を交差しない様に配線した物です.特に一層配線ではジャンパーと呼ばれる部品を配線の途中に挿入することが多層基板との大きな違いです.これまで一層基板の配線作業は経験を積んだ人の手によって行なわれていました.(多層基板では自動配線が一般的です.ジャンパーの存在が自動配線を困難にしているのです)
手配線作業の大変さから回路や部品配置の変更は困難な作業となっています.最近の家電製品の高性能化に伴い部品密度や配線密度がますます上がって来ています.人手による配線作業は限界に近付いています.一層基板自動配線が必要なのです.
特長
- Even-spacing技術
Even-spacing技術は配線間隔をできるだけ広げます。電気的特性や製造の歩留まり向上が期待されます。
- Net Generation技術
ボンディングパッドから端子までの配線を自動生成します。端子の割り当てと配線パターンを同時に作成します。
- 高い配線密度
任意角度による配線を基本にしていますから,斜め方向の配線エリアの無駄がなくなります.さらにグリッドレス配線の採用により配線幅やクリアランスを厳密に適用することで,配線をより多く通すことが可能になりました.これらの特長から高い配線密度が達成されてます.
- 任意角ルータで最速クラス
任意角度に対応するため,このシステムでは位相的なグリッドを採用しています.これにより探索空間を大幅に削除しました.さらに配線探索の高度な先読みにより無駄な配線パターンを削除しました.この二つの技術により探索の高速化を実現しました.
配線例

学会での発表・論文・著作物
- データ構造
- 濱 利行,江藤 博明,経路探索高速化のためのクリティカルカット削減方法,情報処理学会第52回全国大会
- 濱 利行,江藤 博明,ユークリッド距離におけるクリティカルカットの効率的生成法、情報処理学会設計自動化研究会
Vol.97 No.50 1997
- 経路探索手法
- 濱 利行,江藤 博明,容量制約を満たした配線経路探索方法,情報処理学会
第80回設計自動化研究会 Vol.96
No.51 1995
- Toshiyuki Hama and Hiroaki Etoh,
"Topological Routing Path Search
Algorithm", ASP-DAC97, 1997
- Toshiyuki Hama and Hiroaki Etoh,
"Topological Routing Path Search
Algorithm", TR-172,1996
- 配線探索と配線可能性
- 江藤 博明,濱 利行,端子回りの接続構造から結線可能性を判定する方法,情報処理学会第52回全国大会
- Hiroaki Etoh and Toshiyuki Hama,
"Single-layer Global Router",
TR-170,1996
- 配線整形
- Toshiyuki Hama and Hiroaki Etoh,
"Curvilinear Detailed Routing
Algorithm and its Extension to
Wire-spreading and Wire-fattening",
ASP-DAC98, 1998
|