概要
このグループでは、3次元形状の生成に関する研究を行っています。この技
術を使うと、位置や法線方向などの指定した拘束条件の基で、滑らかに変化す
る曲線、曲面形状を生成することができます。生成される曲面は、メッシュに
より表現されますが、追加処理を行うことによりBezier曲面に変換することも
可能です。この技術は、以下のような分野に対して応用することができます。
- 機械系CADにおける曲面の設計
- 以下の用途のための3次元コンテンツの作成
研究内容
図1、図2は、本技術を使って曲面形状を生成する例を示しています。図1は
上部と下部と中腹とに穴をもつ形状の例です。図(a)は最初に与えた初期曲面
形状であり、形状の一部にノイズがあります。穴の境界に位置及び法線方向の
拘束条件を与えた上で本技術を適用することにより図(b)のような滑らかな形
状が得られます。
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| 図(a): 初期曲面形状。形状の一部にノイズがある。 |
図(b): 処理後の曲面形状、及び拘束条件を示す。
赤い点は位置の拘束を示し、
緑色の矢印は法線方向の拘束を示す。 |
| 図1: 滑らかな曲面生成。3つの穴部分で位置を固定し、
かつ法線方向を固定。初期曲面のノイズが除去され滑らかな形状が生成される。 |
図2は平らな形状から手の形状を得る例を示しています。指の関節に対して位
置の拘束条件を与えています。わずかの拘束条件を与えるだけで、
現実に近い手の形状を簡単に作ることができます。
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| 図(a): 初期形状。平らな板形状。 |
図(b): 拘束条件を与える位置を緑色の点で表示。拘束条件は、指の各関節に4点、手首に4点、各指先に1点与える。 |
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| 図(c): 緑色の点が赤色の点に移動するように位置の拘束条件を設定。
対応する点を黄色の線で結んで表示している。 |
図(d): 各指の関節及び手首に対して、4つの点(赤色の点)
を滑らかに補間する曲線(赤色の曲線)を生成する。 |
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| 図(e): 赤色の曲線を拘束条件とし、
それら曲線を滑らかに補間する曲面を生成。 |
図(f): 図(e)を異なる視点から見た図。 |
| 図2: 滑らかな曲面生成。平面形状から始め、
指の関節、指先、手首に相当する点に拘束条件を与えた後、手の形状を生成。
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この技術に対する入出力を表1にまとめます。この技術で扱う曲線、曲面は、
Bezier曲線、曲面などのような連続的な表現ではなく、折れ線、メッシュとし
て離散的に表現されています。しかしながら追加処理を行うことによりメッシュ表現をBezier曲面表現に変換することも可能
です。また拘束条件としては、表1に示した2種類(位置, 法線)の拘束条件を
与えることができます。これら以外の様々な拘束条件の追加に関しても研究し
ています。
| 表1: 本技術に対する入出力データ |
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曲線の場合 |
曲面の場合 |
| 入力データ |
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| 出力データ |
滑らかに変化する折れ線 |
滑らかに変化するメッシュ |
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| *メッシュとは多面体によって構成される曲面を意味します。 |
本技術の特徴を表2にまとめます。
| 表2: 本技術の特徴 |
- 曲率変化の最小化
- 本手法では、折れ線、メッシュ
という離散的な表現から擬似的に曲率を計算し、その曲率の変化を形状全体に
わたって最小化する計算モデルを用いています。曲率の変化を滑らかさの指標
として用いているため、他の類似した手法と比べてより滑らかな形状を得るこ
とができます。実物の梁や板を物理的に曲げた状態は、曲率変化が最小化され
た状態といえます。
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- 対話的な設計に適した処理速度
- 本手法では、メッ
シュのノード数に比例した計算オーダーで処理を終了することができます。内
部的にメッシュを階層的に保持していることによりこの計算オーダーでの計算
が可能となります。
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- 対話的設計に適した反復的計算方法
- 本手法では、
反復的にノードの座標値を更新する計算手法を用いています。よって段階的に
より高精度な解が求まっていきます。ラフな形状を作成する場合には、反復計
算を早い段階で打ち切ることにより、より効率的に形状作成を行うことができ
ます。
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- 少ない拘束条件の指定による形状制御
- わずかな
拘束条件を与えるだけで、その拘束を満たす形状を自動的に得ることができま
す。メッシュのノードに対して、位置の拘束と法線方向の拘束を与えることが
できます。さらにメッシュのノードとは無関係に3次元空間の点を拘束条件と
して指定すると、その近傍を通過する形状を生成することができます。
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- 指定点を補間する形状の生成
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「再分割曲面」と呼ばれる曲面生成手法では一般に、曲面形状が指定し
た点を通過しません。本手法を用いると、
指定した点を通過する曲面形状を得ることができます。
通過点を陽に指定することができるため、ユーザーにとっ
てわかりやすい形状設計手法であるといえます。
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*再分割曲面とは概念的に、多面体のを削
っていき滑らかな形状を得る手法。かどが
削られ丸まるために曲面は最初に与えた多
面体のかどを通過しないという問題がある。
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学会での発表・論文・著作物
- Atsushi Yamada, Kenji Shimada, Tomotake Furuhata, and Ko-Hsiu Hou,
A Discrete Spring Model to Generate Fair Curves and Surfaces,
Pacific Graphics '99, 1999 Oct.
- 山田敦, 嶋田憲司, 古畑智武, Ko-Hsiu Hou、
離散的なバネモデルを用いた滑らかな曲線、曲面生成手法
情報処理学会グラフィクスとCAD / Visual Computing 合同シンポジウム '99,
pp. 43-48, 1999, Jun.
- 山田敦, 古畑智武, 伊藤貴之, 嶋田憲司、
離散的なバネモデルを用いた曲線、曲面の点群へのあてはめ,
情報処理学会研究報告(グラフィクスとCAD研究会),
99-CG-96, pp. 31-36, 1999.
- 山田敦、古畑智武、
離散的なバネモデルを用いた滑らかな曲面生成手法
- Laplacianスムージングの折れ曲がりの問題の解決 -,
1999年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集, p. 146,
1999, Sep.
- 伊藤貴之、山田敦、古畑智武、井上恵介、嶋田憲司、
三角メッシュを入力とした曲面再構築のための四角形パッチ構築方法、
情報処理学会研究報告(グラフィクスとCAD研究会),
2000-CG-100, pp. 1-6, 2000 Sep.
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