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次世代ディスプレイ・システム 20-inch QXGA monitor

プロジェクトの概要

コンピュータ用モニタとして液晶ディスプレイ(LCD)がブラウン管(CRT)に優っているのは 省スペース・省電力という点だけではありません。LCDならばQXGA(画素数2048×1536)やQSXGA(同2560×2048)といった、 CRTより高精細・高解像度のディスプレイを実現できます。 ここではそのような高精細モニタ実現のために必要となるシステム技術の研究を行っています。

研究項目
  • 高精細ディスプレイモニタ用高速ディジタル接続技術

    Evolution of resolution 現代のPCはXGAという、画素数は1024×768で1画素あたり24ビット(RGBの合計)で色を表現するビデオシステムを用いるのが一般的です。 歴史的にコンピュータのディスプレイは、VGAからSVGAそしてXGAへという高精細化の道筋を辿ってきました。 そして最近のLCD製造技術の長足の進歩により、CRTの限界を超える解像度や精細度を持つディスプレイが現実のものとなってきました。 右図にあるようにQXGAやQSXGAという規格では、2048×1536や2560×2048という大きな画素数を表示することができます。

    今までのCRTモニタはPCからのビデオ出力を、太く短いVGAビデオケーブルを通してアナログ信号で受け取っていました。 ビデオ・アナログ信号はこのケーブルを通ることでかなり歪むのですが、 もともとCRTというものが画素をぼやっとしか表現できないのと、 XGA程度までという比較的低い帯域の信号速度で事足りていたためにあまり問題になっていなかったのです。 しかしLCDモニタの内部回路ではディジタルでビデオ信号を扱わなければなりませんし、 LCDは1画素1画素をくっきりと表示しますから、 歪んだアナログ信号を貰っていたのでは美しい表示ができなくなってしまいます。 LCDモニタが普及するにつれこのことが問題となり、 PCとモニタをディジタル信号でつなぐ規格が制定される運びとなりました。

    しかし精細度進化の将来を考えると、ビデオケーブルをディジタル・リンク化しただけではまだ不足であることに気がつきます。 1画素24ビットのフルカラーでXGAサイズの画面を毎秒60回リフレッシュ表示すると、約1.5Gbpsの通信速度が必要ですが、 これがQXGAでは5Gbps、QSXGAでは8Gbpsにも達し、PCモニタ用の廉価なディジタル・リンクでは搬送不能な領域に入ってしまいます。

    Digital link system 私達はディスプレイというものをPC本体内のビデオICを含めて考え直し、 通信路に過剰な性能を要求しないようなビデオシステムを構築することを考えました。 具体的にはPC側ビデオシステムとモニタ側ビデオシステムに機能を分散し、 さらに今までのリフレッシュ表示方式では当たり前のように送られていた不必要なデータの通信を抑制します。 このバランスをうまくとることで、PCのグラフィクス性能が向上するといった副産物も得られます。 このような方針で新しいビデオシステムのアーキテクチャの研究をしています。

  • ディジタル画像解像度変換技術

    現代のPCはXGA出力が一般的なのですが、それをUXGAやQSXGAという画素数を持つLCDモニタに表示したらどうなるでしょう。 もしそのままの画素数で表示したならば、画面の片隅に縮まってしまい文字も読めなくなってしまいます。 PCのビデオシステムが必ずモニタの画素数(精細度といいます)に合わせて画面を生成してくれるのが最も望ましいのですが、 ディスプレイモニタのようにPC本体と買い替えのサイクルが必ずしも一致しないものについてはそれを望むべくもなく、 どうしても精細度の異なるビデオ出力が受け付けられるように作らなければなりません。

    上の図を見ていただくと分りますが、幾つもある精細度規格の画素数の関係は整数比ではありません、有理数倍の関係になっています。 たとえばXGAビデオ出力を受け付けてUXGAモニタいっぱいに表示するためには、縦・横それぞれ25/16倍に画素数を増やしてやらなければなりません。 そしてこの25/16倍とか5/4倍という小さめの倍率での有理数倍というのは、美しい画像拡大処理をするにはとても難しい領域なのです。

    これまでの画像拡大処理というものは、テレビジョン画像などの自然画像や入力段階で低域通過フィルタが掛かっているディジタル画像など、 信号変化に連続性を仮定できる画像に対して研究がなされてきました。 しかしコンピュータの画面というものは、今見ている画面でもお分りのように色調や輝度の不連続なグラフィクス要素で成り立っています。 そしてまた、CRTモニタでは出力段階に低域通過フィルタが掛かっていることを期待できたのですが、 LCDモニタではまったく異なる空間周波数特性を考えなければなりません。 という訳で私達はコンピュータ画面に適した、従来の画像処理方式とはまったく異なる方式での拡大方式を研究しています。

    またこれからのLCDは精細度だけでなく解像度も高くなって緻密な表示をするようになっていくので、 従来のモニタとは異なる新たな階調処理を施した方が視覚的に有効な場合も出てきます。 解像度変換と併せて、より効果的な表示を目指して新しい階調変換方式の研究も行っています。


学会での発表・論文・著作物
  • Moriyoshi Ohara et al., "Digital link: High functional digital monitor interface," SID 99 Proceedings, May 18 (1999).
  • Hiroshi Ishikawa, "Digital link that realizes QXGA," seminar note at "LCD/PDP International '98," October 28 (1998).
関連情報


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Last modified 13 October 1999