Research That Matters
日本アイ・ビー・エム株式会社
東京基礎研究所 所長
森本 典繁
IBM東京基礎研究所は、1982年にIBMのアジアで最初の基礎研究所として設立されました。以来、グローバル・リサーチの一員として他の基礎研究所と協業しながら多くのIBMのハードウェア、ソフトウェア、サービスの製品やソリューションに貢献する研究成果を上げる一方、先進的な日本のお客様とともに、革新的な技術の適用や、実証実験、共同研究などを行い、IBMの研究成果のIn Market Researchの場としても重要な役割を果たしてきました。
我々は、時代の変遷と技術革新の流れ、あるいは会社のビジネス上の要請に応じて、企業研究所としての役割を変化させてまいりました。その結果、IBM Corporationに対するさまざまな技術貢献を果たす中心的な役割を担うよう発展し続けています。東京基礎研究所は、長期にわたる革新的な基礎研究から、新たな製品コンセプトや先進的なソリューションに対する適用研究、既存の製品やソリューションの発展に貢献する先端技術の研究開発まで、技術開発のライフサイクルのほぼ全てに関わることによって、世の中に真にインパクトを与える技術を育てることができる、世界でも数少ない研究機関といえます。
我々の研究所のもう1つの特徴は、そのグローバルな研究環境にあります。東京基礎研究所を含む世界のIBMリサーチの研究員約3,000名が、数十におよぶ戦略的な研究エリアに分かれて国境や地域の枠を越えて協業しています。1つのプロジェクトに複数の国の研究者が参画するのは我々の研究環境ではごく普通のことであり、必要とされるスキルや知識、能力に応じてチームが結成され、世界のトップクラスの研究者と「肩を並べて」仕事をすることができます。そして、その研究成果は、グローバルに評価されることとなり、学術論文や学会発表だけでなく、世界中で使われるIBMの製品やソリューションの一部として組み込まれ、多くのお客様の元に届けられています。
近年、企業の研究開発を取り巻く環境が急速に変化しつつあります。複雑化するシステムやソリューションは、技術分野をまたがる協業を必要とし、また、多くの大規模な研究プロジェクトは他の企業や研究所、アカデミアとの協業を必要とするようになりました。このような環境におけるワールド・クラスの研究者には、自らの研究力やその質の高さはもちろんのこと、加えて他の競合技術を評価する目、他の研究者と協業し研究をリードする力、市場の動向や技術のニーズを感じ取るセンス、また、それらをパートナーやお客様に伝えるコミュニケーション能力などが求められます。 東京基礎研究所は、グローバル・リサーチの一員としての継続的な貢献をしつつ、このような、真のワールド・クラスの人材を育てていく土壌を整備し、引き続き長期にわたる技術的な競争力の源泉を保つべく努力してまいります。
